リバウンド防止強化期間 ~岡山市の飲食店への営業制限について~

岡山県に出ていた緊急事態措置が6月20日に解除されます。県では、21日以降7月20日までをリバウンド防止強化期間と位置づけ、期間中の県民や事業者等への協力を改めて要請しました。

最も注目されていた飲食店の時短制限や酒類の提供については、全面的な解除は見送られ、岡山市の飲食店に対し、6月21日~30日の間、「営業は午前5時から午後21時まで、酒類の提供は20時まで」を要請することになりました。要請に従った事業者には協力金が支払われます(支給金額は、緊急事態措置期間の金額と違うのでご注意ください)。

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岡山市の飲食店への時短要請等の要請に関して、私のところには、当事者である飲食店や関連取引先事業者の方からご意見やご質問が届いています。そのような声を行政に伝えるとともに、今回の措置の考え方について県の新型コロナウィルス感染症対策室から説明を受けたので、以下、ご報告致します。

Q.現状分析と基本的な考え方は?

A.県内の感染状況は、ステージⅡに移行した。この1週間の新規感染者は1桁台で推移しており、緊急事態宣言が発出されている都道府県の中でも最も状況が落ち着いている。他方で、飲食店への時短要請や酒類提供の制限については、国の最新の「基本的対処方針」(6月17日公表)を踏まえ、基準を緩めながらも一定期間継続し、段階的に解除していくという方針だ。

第3波の収束局面において、感染がいったん落ち着いた段階で緊急事態措置を解除した大阪府では、すぐに繁華街等の人流が回復し、第4波を招いてしまい、1か月で緊急事態宣言を再発出する事態になった。飲食店への営業時間短縮は、感染が落ち着いたところで解除するのではなく、その状態が維持できると確認できるまで十分な期間をとる必要がある。それが大阪の教訓であり、それを踏まえた対応が必要だ。

また、兵庫、広島では、飲食店への時短要請を7月11日まで継続すると聞いている。これまでの経験から、規制が緩いところに人が流れる傾向があるのは明らかなので、隣県からの人の流入を防ぐためにも、すぐに全面解除ではなく、他県の感染状況等も踏まえつつ、段階を追って対処すべきだと考えた。

Q.多少の緩和はあるとはいえ、なぜ、岡山市の飲食店への時短要請等を継続するのか?

A.国の最新の「基本的対処方針」(前述)には、「緊急事態宣言が解除された重点措置区域(※)以外の都道府県においては、法第24 条第9項に基づく飲食店に対する営業時間の短縮の要請については、当面、継続することとし、その後、地域の感染状況等を踏まえながら、段階的に緩和すること」と明記されている。

これまでの感染ルートの調査では、飲食の場における感染の割合が最も高いことが明らかになっている(家庭内感染や職場感染にカウントされているものの中にも、元をたどれば飲食での感染に端を発しているケースが多いので、それを加えれば割合はさらに高くなる)。政府の分科会等が指摘している通り、マスクを外した状態で会話が交わされる飲食の場、とりわけ飲酒を伴う一定人数以上が集う飲食の場が「感染の急所」であることは間違いない。

国の方針や、これまでの感染ルート調査などを踏まえると、飲食の場を提供する飲食店への時短要請や酒類の提供の制限は、一気に全面解除するのではなく、段階的に行うべきだと考えている。

※今回、緊急事態措置から蔓延防止重点措置に切り替わった地域

Q.「営業21時まで」「酒類提供20時まで」の根拠は?

A.前述した「段階的解除」を行うにしても、飲食店の経営への影響は最小限にとどめたいと考えている。出来るだけ営業機会を確保しつつ効果的な感染対策を講じるには、どの辺りで線を引くのが適切か検討した。大雑把なイメージは、「酒量を抑えつつも一次会は何とかできる」レベルを念頭に線引きをしたという感じだ。2次会まで行くと、つい長居してしまったり、お酒が進んで感染対策が疎かになりやすい。営業機会の確保とリスクのバランスを考慮した。

Q.いわゆる接待を伴う飲食店(スナック、ラウンジなど)は、通常、20時~20時半くらいから営業する店が多く、酒類の提供時間帯も含め、実質的には休業要請が継続するのと同じだ。長期にわたり厳しい対応を迫られているが、どう考えているか?

A.接待を伴う飲食店においてクラスターが頻発しているという現実がある。さきほど、2次会のリスクが高いという話をしたが、接待を伴う飲食店は2次会の場になりやすいため、営業制限を段階的に解除していった場合、リスク管理の観点からは最後に解除される場所にならざるを得ない。関係者の皆様には大変なご苦労をおかけして心苦しいが、何卒ご理解を賜りたい。現在、時短協力金等の支給を出来るだけ早くするよう取り組んでおり、融資などの支援制度もある。国や市の事業も含め、使える支援があると思うので、活用して頂きたい。

Q.飲食店への時短要請のエリアは、なぜ「岡山市のみ」なのか。

A.県の感染者の5割以上を岡山市在住者が占めており、飲食店のクラスター発生も岡山市が多い。また、県内の感染状況を分析すると、岡山市で多くの感染者が出た後に、他の地域に感染が広がる傾向がある。感染拡大の起点になりがちな岡山市には重点的に対策を講じる必要があると考えた。加えて、県都である岡山市には象徴的な意味があり、岡山市を対象に施策を講じれば、直接的に時短要請などを行っていない他のエリア(倉敷市など)でも人流が大きく減る傾向が見られる。営業制限は最小限にしつつ、最大の効果を出す観点から「岡山市のみ」を対象にした。

Q.第3者認定制度の運用あたっては、飲食店を一括りにするのではなく、店の広さや構造、接客方法などを十分に考慮し、業態別にきめ細かい認定基準を設定してほしい(例:定食屋など食事メインの飲食店、酒類提供と切り離せない居酒屋、スナックやラウンジなどの接待を伴う飲食店 の3段階で考えるとか…)という声がある。基準設定の考え方は?

A.現在は、具体的にどのようなものになるのか何も決まっていない。ただ、事業形態に応じて詳細をきめ細かく規定するというより、飲食店の業態を問わず幅広く使える、基本的な感染症対策が出来ているかどうかをチェックする認定基準になるのではないかと考えている。同様の制度を運用している他の都道府県でも、飲食業を分類して基準を作っている事例を知らない。国の「基本的対処方針」には認証基準の案が示されており、そこには、▽アクリル板等の設置、▽手指消毒の徹底、▽座席の間隔を1メートル以上確保、▽換気の徹底――などが例示されている。それをベースに県独自の基準を足し引きするという形になるのではないか。この件は、農林水産部農政課が所管することになっており、ご意見として担当課にも伝える。

Q.岡山市の飲食店を「感染の急所」と捉えているのであれば、そういうところで接客している人に優先的にワクチン接種を行ってもよいのではないか。

A.考え方としては理解できる。実際、そのような対応を行う地域もあると聞いている。必要に応じて岡山市で検討されるものと考える。

Q.今後の対応は?(7月以降、全面解除できるのか)

A.飲食店への時短要請、酒類の提供時間の制限は、感染状況の急激な悪化など余程のことがない限り、6月30日で終了する予定だ。ただし、デルタ株への置き換わりが進めば、次の感染の大波が今夏にも再来するという専門家もいる。第4波で経験したが、感染の波が立ち上がる時には、週ごとの感染者が倍々ゲームで増えるなど急激に上昇し、一気に医療がひっ迫してしまう。さらに感染力が強い変異株なら、第4波以上に急激に上昇するかもしれない。早期対応が重要で、流行の兆しが見えたらすぐに強い行動制限をかけるのが、結果的に感染の波のピークを抑え、短期で制限を終わらせることができるという考え方もある。ただ、さほど感染者が増えていない段階で、再度、行動制限を行うことに県民や事業者の理解が得られるのかという問題もあり、難しいかじ取りが続きそうだ。

 

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