コロナ経済対策について

政府、与党は、新型コロナ対応の経済政策の目玉として18歳以下の子どもへの10万円給付を盛り込む方向で調整に入りました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff515d738f1b75720b86e5a7c870685f6f5a4a66

これに対し、私が比例区で応援した国民民主党の玉木雄一郎代表は、「子供のいない困窮している方は今回の公明党案では救われない」と指摘しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fcb8c879cff17193f3a823a63f8211b1886fbe43

贔屓目かもしれませんが、私は、玉木代表の仰ることに賛同します。

「子育て支援策なのか、コロナで傷ついた経済の回復策なのか、政策目的をまず整理する必要がある」というのは正論でしょう。ある政策の効果が他の政策課題にまで波及する、「一石二鳥」を期待することを否定しませんが、まずは、いま最も優先順位が高い課題は何で、それを解決するためにどのような施策が有効か、的を絞って検討すべきではないでしょうか。その際、ワンショット(単発または期間限定の施策)なのか、恒久的な制度なのかも切り分けて考えた方が良いと思います。

政策目的に関して言えば、私は、経済政策として「コロナ禍で打撃を受けた経済の再生」、福祉政策として「生活困窮に陥っている人の救済」を優先すべきだと考えています。

経済政策としては、一律10万円の給付金とGOTOキャンペーンなど組み合わせが、需要喚起に効果が高いと思っています。給付金に関しては、富裕層にまでお金を配るのかという批判がありますが、給付金を収入として確定申告してもらい、所得に応じて一定額を税として徴取すれば良いと思います。誰にいくら支給したか行政が把握しているので、ごまかしが効かず不正もできないでしょう。給付金が消費に回るよう、クーポンやキャッシュレス決済と組み合わせたポイント付与などとする案も出ていますが、行政など支給側の事務が増えるうえ(事務をする臨時職員を雇用したり、公務員の残業代などでコストもかさみます)、受け取る側も面倒くさくわかりにくいため、個人的には賛同できかねます。課税対象とすることと考え合わせれば、現金給付以外の選択肢はありません。「全ての国民に一人当たり10万円」給付は、対象者を選別する手間がなく、スピード感をもって対応できます。素早く支給できるのは非常に重要なポイントだと思います。昨年1度行ったオペレーションであり、行政にも国民にも経験値があるので、事務的な混乱が少ないと思われることも大きな利点です。

福祉政策としては、前述の一律給付金に加え、非課税世帯など低所得者を対象にした追加給付を行うべきです。国民民主党は、衆院選で、「一律10万円+低所得者給付10万円」という2段階給付を訴えましたが、それに賛同します。

これに加え、大学生や専門学校生などが、コロナ禍で退学や休学を余儀なくされているケースへの対応も考えていただきたい論点です。保護者や自身のアルバイト代などの収入が一定以上減少している人を対象に、授業料の減免やコロナ対応の給付型奨学金の創設なども早急に検討すべきではないでしょうか。

以上は、ワンショットの施策ですが、子育て支援については、恒久的な制度を整備すべきです。単発の給付は有難いものの、出生率向上につながるような、安心して子供を産み育てる環境整備という点では効果は低いと思います。国民民主党が衆院選で訴えた、教育国債を財源にした、「幼稚園・保育園から高校までの教育無償化」と「児童手当を一律月額15,000円」という、子育て期間を通じた現物給付+現金給付は、不公平感が生まれにくく、給付対象を特定するための手間暇コストが低いため、優れた仕組みだと思います。

一時的な消費減税は、確実に家計を助け、不公平感がなく、低所得者の方が減税効果が高い点で悪くないと思います。消費を促す効果もあるので、需要喚起にもつながるはずです。ただ、税率変更に伴う行政や事業者の負担は少なくなく、システム変更等に中間コストがかかるという欠点があります。また、税率が変更される前後で、買いだめや買い控えが起こるなど、人々の消費行動を歪めてしまいます。加えて、一度税率を下げると、上げるときには政治問題になりがちで、タイムリーに「一時的な措置」を解除できない可能性は高そうです。やった方が良いと思いますが、メリットデメリットを見定め、慎重に検討されるべきでしょう。

給付金にしろ、児童手当にしろ、給付にあたって「所得制限」をつけるという考え方が与野党問わずありますが、個人的にはあまり賛同できません。ベーシックインカムが一例ですが、給付を一律定額にして、税金や保険料などお金の徴収サイドの調整によって「差額」の再分配効果を調整するやり方の方が優れているように思います。個々の給付にあって所得制限の段差を作るやり方は、国民の行動に対するインセンティブを歪めがちですし、制度としてシンプルな方が行政コストの削減にもつながります。対象者の特定や申請・支給に係る事務、不正防止のために多額の税金が使われるのは、もったいない気がします。一律給付は不公平感が少なく、支給される人とされない人の間に「嫌な感じ」の分断が生まれにくいのも良い点だと思います。特に、生活困窮者など支給される側が後ろめたさを感じるような制度設計は良くないと思います。

お金に困っていない人への給付はおかしいという議論もありますが、そもそも、国の施策の財源は、国債の利払いを含め、税収(将来の増税含む)によって賄われるものです。財政出動を伴う政策により財政が悪化した場合、長い目で見れば、多額の税を納めるお金持ちが、より大きな負担を負うことになるでしょう。衆院選で各党が再配分強化を掲げていたことを考えれば、所得や資産が多い人は、仮に特別給付金10万円を支給されたとしても、将来的にそれ以上の額が課税される可能性は高いと思われます。給付金は、お金持ちも堂々ともらえば良いと思います。

最後に、財源についても触れたいと思います。私は、現金給付その他の施策について、コロナ禍のような非常時には、直ちに財源を手当てするかのような議論は必ずしも必要ないと思っています。もちろん、一般論として、給付や減税などの政策に「財源」を考える必要があることは当然ですが、今は、まずは状況がこれ以上悪化しないよう、目の前にある課題に優先順位を付けて対処することが重要だと思います。コロナ禍で需要が消失し、生活困窮による自殺者が増えている今、求められるのは国債の増発による経済政策ではないでしょうか。このような非常時に、「財政再建」のための財源を明示しなければ、対策を打てないというのでは困ります。

岸田首相が総裁選前に言及した(後で全く触れなくなりましたが)「金融所得課税」にしろ、立憲民主党が衆院選で訴えた「所得税の累進課税の強化」にしろ、今後の財源確保の考え方を示すことは重要です。しかし、今、支出と財源を一対一で対応させる財務管理にこだわることが適切だとは思えません。プライマリーバランスの均衡はいったん棚上げするしかないと思います。ただし、財政再建に向けた行財政改革の手を緩めてはいけません。会計監査で指摘されたアベノマスクの過剰発注や備蓄費用のようなムダを無くすよう、不断の取組が必要なことは言うまでもありません。

いろいろ申し上げましたが、前述した通り、政策目的を明確にしたうえで、わかりやすく、公平感があり、効果の高いコロナ経済対策にしていただきたいと思います。

コロナ経済対策について” に対して2件のコメントがあります。

  1. 中野直樹 より:

    ええと思うよ。
    ただ、コロナに関してはマスコミを含め騒ぎ過ぎで、結局飲食、旅行関係やパート、アルバイトや母子家庭、老人、学生、障害者まで貧困に追い込んだ罪は許せんと思う。公務員や大企業の人にはわからんかもしれんがね。
    あと、ワクチンの契約はデタラメじゃね。各地で若者が何人も死んどるらしいね。これは罪に問われんのかな?
    どうかしとると思う。

    1. 髙橋とおる より:

      コメントありがとうございます。

      「コロナは騒ぎ過ぎ」というのは、私もそのように感じることがあります。
      コトが命と健康の問題だけに、この未知のウィルスのことがよくわかっていなかったうちは、必要以上に対応が慎重になるのは仕方ないにしても、ウィルスの特性などがある程度わかってからも、過剰な自粛や根拠の乏しい規制、辻褄が合わない対応が続いたように思います。
      ウィルスへの科学的・疫学的なアプローチというより、人(世論や政治)の側の感情や都合などで対策が講じられた面も否めません。また、対策の策定、展開の過程で、マスコミやネット社会が大きく関与したことも間違いないと思います。

      ワクチンの安全性を私は信じていますが、因果関係の有無はともかく接種後に死亡事例があるのは事実なので、慎重な考え方にも耳を傾けるべきだと思います。

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